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2013年8月17日土曜日

早産時特有の病気 未熟児網膜症とは

未熟児網膜症(みじゅくじもうまくしょう)とは



網膜の血管の未熟性に基づく疾患。赤ちゃんの眼は妊娠第3週ころにできはじめ、眼球の形がほぼ完成するのが7週ごろと言われています。また光の刺激を脳に伝える神経の膜である網膜(もうまく)もこの時期には形成されていて、そこから伸びる視神経も神経管を伝って大脳にまで到達しています。網膜を養う血管は妊娠16週以降に視神経乳頭部から網膜の外側へと発達し始め、赤ちゃんの網膜の血管は在胎36 週頃に完成します。

そのため予定日より早く生まれた場合は、網膜の血管は途中までしか伸びていない為に、血管の伸びが途中でとまってしまい、血管が枝分かれしたり、眼の中心にむかって立ち上がったりと、異常な発達をすることがあります。これを未熟児網膜症といいます。
 
 

未熟児網膜症の発症の確率

 
 
「未熟性」に基ずく多因子の非特異的反応(刺激がどのような種類であるのか関係なくおこる反応のこと)であり、「未熟性」の因子としては在胎週数と出生体重が最も重要な因子であり、在胎30週以下、1000g未満の児では発症の危険率が高くなると言われています。
原則的には自然寛解(しぜんかんかい)する疾患ですべての児に網膜の瘢痕形成(はんこんけいせい)が起きてくるわけではなく、生まれたときの体重が1,800g 以下、在胎週数34 週以下とハイリスクがある場合は、眼科医による眼底検査を受ける必要があります。
 
発症率は出生体重1,500g 未満で約50%

 
在胎28週未満ではほぼ100%です。
 
 
両目完全失明率は約0.7%とのデータもあります。
 

原因は?

 
胎児が予定より早く生まれてしまったため、網膜血管の発達が終わっていない為に生じます。
早産児の肺低形成による治療などの酸素投与が主な原因であり、要因の1つと考えられていたがこれだけが原因ではないと言われています。1950年代初期には、網膜血管の増殖性変化をきたすと考えられていたが、現在では、酸素投与とは無関係に発症する事もあると言われています。厳密な酸素投与を行う事で1500g以上の児の未熟児網膜症は減少している傾向がみられるが、超低出生体重児での発症例は減少していないみたいです。
また要因の一つとして考えられる高濃度の酸素の投与も高濃度の酸素はこれから伸びていこうとする網膜の血管を収縮させてしまい、これがある程度以上続くと血管の先端部が閉塞してしまいます。子宮の中から体外にでるだけで、赤ちゃんがさらされる酸素の濃度は2~3倍になり、これだけでもまだ発達途中だった網膜の血管は収縮してしまいます。未熟児の場合多くは保育器の中で高濃度の酸素が投与されるのでさらに血管が収縮し、閉塞を起こしてしまうという環境を必然的に作り出してしまう可能性があります。
また保育器の中にいる間は高濃度の酸素のために、血管が閉塞しても、酸素は十分行き渡り、血管ができていない部分の網膜も酸素が足りている状態になります。しかし、酸素の投与がなくなると、血管のない部分の網膜は酸欠状態になってしまいます。
 
この酸素不足を解消するために、血管を伸ばして酸素を供給しなければならないのですが、延びるべき血管が閉塞してしまっているために、その周囲から新生血管という、未熟で異常な血管が周囲に向かって伸びて行きます。この新生血管は非常にもろく破れやすいので、出血をしたり、重症例では、伸びていくときに、線維性の組織を伴って伸びてゆくので、これが収縮して網膜を引っ張り網膜剥離を起こしてしまうということが原因のひとつとして考えられます。

 

症状は?

 
在胎週数34週未満、出生体重が1800g未満の低出生体重児に起こり易く、生後3~6週ごろ発症するといわれていますが、網膜の中で起こる変化なので外からは一切わかりません。
未熟児網膜症には、徐々に進行するタイプ(型)急速に進行するタイプ(型)に大きく分類されています。
 

徐々に進行するタイプ(Ⅰ型)

型は進行の程度によって5段階に分類されます。
  • 1段階では、伸びている網膜血管の先端部と血管の伸びていない網膜(無血管野)との境界部分に境界線とよばれる組織ができます。
  • 2段階では、境界線の厚みが増します。
  • 3段階では境界部に異常な血管である新生血管ができ、増殖した組織が硝子体に向かって伸びていきます。
  • 第4段階さらに増殖組織が増すと、網膜をひっぱり網膜剥離(牽引性網膜剥離)を起こします。
 

急速に進行するタイプ(Ⅱ型)

型は在胎週数が少ない1000g以下の超低出生体重の赤ちゃんに起こりやすく、急速に網膜剥離へ進行して失明する危険の高いタイプです。網膜症を発症した赤ちゃんのうち5%くらいは急激に症状が進んで網膜が剥離し失明してしまうラッシュ型といわれるこの型といわれています。
そのため、このラッシュ型といわれるタイプは失明を予防することは困難といわれています。
 
 
 
未熟児網膜症が治癒した小児には高頻度で近視や斜視、弱視等の症状が起こるといわれています。どの程度の視力障害がでるのかは、瘢痕の程度によると考えられていますが、正確に把握することは困難と考えられています。 
 
 

治療方法

 
 
未熟児網膜症の発症原因を高濃度酸素だけに限定することはできませんが、酸素の量を制限することで患者数が激減したことから、酸素投与の適正管理による予防効果は高いと考えられています。未熟児で生まれた小さな命を救うために酸素は必要ですので、重症化を防ぐように酸素管理を行っています。
また点滴の量も要因のひとつと考えられています。体内にはいる水分の量が多いと網膜が浮腫(むくみ)を起こし網膜剥離を起こしやすくなると言われているためNICUでは、小さな命を、障害を残さないように救うために酸素の管理、点滴の管理を行っています。
 
生後2~3週間ぐらいから定期的に眼底検査を行い、網膜症を発症しているかどうかや、進行の程度を検査します。
軽症の場合は途中で進行が止まり自然に治癒することが多いので、治療を必要とすることはあまりありません。しかし、
予防がうまくいかなかった場合は、網膜症の進行を抑えるために光凝固法・冷凍凝固法という眼科手術が多く行われます。現在では光凝固法と呼ばれるレーザーによる治療方法が主流のようです。どちらの治療方法がよいというデータは調べる限りでは出てきませんでした。
いずれの治療法もまだしっかりした治療効果の判定が行われていないので効果に関しては論議がある。また極小・超未熟児の未発達な眼の組織をレーザーや液体窒素で固めてしまうことが将来の眼の機能にどのように影響を及ぼすかと言う点もまだはっきりと確認されていません。
 
定期的に検査を受け、時期にあった治療を受ける必要があります。進行具合によって治療法が変わるといわれています。
 
 

光凝固法

 
患部にレーザーを光線を当て、網膜のたんぱく質を凝固させることで、病気の広がりをとめる治療方法。
 

冷凍凝固法

 

 
液体窒素で眼球の外側からマイナス60~70度の低温を加える方法。
 
 

 


 

2013年7月8日月曜日

小さな命 未熟児で生まれてくる子供たち 未熟児とは 早産・低出生体重児

未熟児と低体重児・早産児の違い


「未熟児」とは医学上の言葉で「 低出生体重児」、そして「早産児」 という形で分けられます。

その子供たちについて調べてみました。

 未熟児とは



「 未熟児」 とは「 身体の機能が未熟な(成熟していない)状態で生まれた赤ちゃん」のことで、一般的に小さく生まれた(2,500g以下)赤ちゃんのことを「未熟児」と呼んでいます。
ですが、小さく生まれた赤ちゃんでも身体の機能に問題がなかったり、反対に2,500gを超える赤ちゃんでも身体の機能が未熟であったりすることがあるため、出生体重だけではなく、ママのお腹のなかにいた期間(在胎週数)や妊娠期間に対する発育状況(体重)によって分類されています。

産婦人科や新生児科、小児科のお医者さんはこれらの分類を目安にして生まれてきた赤ちゃんへの対策を考えています。 

出生体重による分類



生まれたときの体重による分類では、2500g未満を「低出生体重児」と呼び、さらにそのなかで1500g未満を「極低出生体重児」1000g未満を「超低出生体重児」と呼ばれています。

日本では出生数が減少しているものの、低出生体重児の数は毎年増加しています。全体の出生数に占める低出生体重児の割合は、20年前は出生の7%前後でしたが、現在は9.7%(2011年)にまで増加しています。これは世界平均の6.8%(経済協力開発機構30カ国)と比べても非常に高い数字となっていますが、これは、不妊治療による双子や3つ子の赤ちゃんが増えたことや、新生児医療の進歩により、超低出生体重児の赤ちゃんも救出できるようになったことが大きな要因として考えられます。

また通常妊娠で出産の場合、単産と呼ばれ、双子として生まれてくる場合などは複産と呼ばれており、その中で上記に記した内訳は単産の場合において2500g未満で生まれてくる子供たちは9.1%となっています。複産の場合、全体で見た場合には残り0.6%になりますが複産で生まれてくる子供たちだけでの割合を見ると、実に83%近くの子供たちが2500g未満で生まれてきています。

これは双子の出産ということで、比較的早い週数で出産しなければいけない状況が必然的に起こる事がわかります。

出生時の体重による分類

  • 低出生体重児:2,500g未満で産まれる赤ちゃん  全体の9%
  • 極低出生体重児:1,500g未満で産まれる赤ちゃん 全体の1%
  • 超低出生体重児:1,000g未満で産まれる赤ちゃん 全体の0.5%

低出生体重児の多くは早産(妊娠22週から37週未満)で生まれた赤ちゃんですが、なかには妊娠期間は十分であるにもかかわらず体重の小さい赤ちゃんもいます。

妊娠期間に比べて体重が小さい赤ちゃんは、赤ちゃん自身になんらかの問題を抱えている場合や、ママからの酸素や栄養分を運ぶ胎盤や臍帯の働きが不十分で栄養の蓄えが少ないために小さく生まれるなどの場合があります。
 

在胎週数による分類


もう一つの分類方法として、在胎週数による分類があります。赤ちゃんは、通常、在胎37~42週未満でママのお腹から出てきます。

これよりもお腹の中にいる期間が短いと「早産児」(在胎37週未満)、長いと「過期産児」(在胎42週以上)といいます。

赤ちゃんの体や機能は、ママのお腹の中に40週前後いることで外の世界に出てくる準備が整います。そのため、在胎37週未満で産まれてきた赤ちゃんは、通常体が小さく、体の機能が未熟な場合がありこの在胎期間が短いと、さまざまな後遺症などがでる可能性が高くなるといわれています。

日本では「低体重出生児」 と同様、年々増加の傾向にあり、全出生数のうちに占める早産の割合は約5.7%(2009年)と報告されています。

在胎週数による分類


  • 早産児在胎37週未満で産まれる赤ちゃん  全体の4%未満
  • 正期産児在胎37~42週未満で産まれる赤ちゃん 全体の93%以上
  • 過期産児在胎42週以上で産まれる赤ちゃん  全体の3%未満

早産児のリスク早産で生まれた赤ちゃんのなかでも35週以降に生まれた赤ちゃんは、比較的、機能も体重も正期産児に近く、特別な医療的処置をする必要がない場合もあります。
ほとんどの場合、発達上の心配もないことが多く入院自体も管理的な入院で比較的短く終わります。

一方、在胎30週未満で生まれた赤ちゃんは、体重も約1500g未満で体の機能も未熟な点が多いため、十分に発達するまでNICU(新生児集中治療施設)などで養育・治療します。

在胎28週未満の超早産児(出生体重が約1000g未満)でも、新生児医療の進歩により、死亡や重度の障害が残る確率は格段に減少しています。

基本的に早産児におこる特有のリスクなどもありますが、軽度の発達の遅れや運動障害が残る割合も正期産児よりは多くなるものの、大半が正常に発達していきます。 2500gが低出生体重児の目安とされていますが、退院についてはこの体重がひとつの目安となり、機能的に問題がクリアされていいけば2500gを目標として退院することになります。
また期間については出生予定日がひとつの目安となり、早産で生まれてきた子供たちが退院できるまでの期間は、出生予定日が目安となり、2500gに到達するのも出生予定日近くになることが多くなります。

2013年6月30日日曜日

帝王切開とは

帝王切開とは


帝王切開術とは、子宮壁を切開して胎児を娩出させる方法です。
私も調べるまで帝王切開は帝王切開という認識がなく術種があるということを知りませんでしたが帝王切開術には腹式帝王切開術と腟式帝王切開術というのがあるみたいです。現在行われている帝王切開術はほとんど腹式帝王切開術です。

妊娠中や分娩中にトラブルがあり、経膣分娩ができない時に帝王切開になります。最近ではリスクが高い妊婦さんが増え、お産の15~20%程度が帝王切開です。医療の進歩により帝王切開によりママが死亡するケースはほとんどありません。

過去には行われていた膣式帝王切開術とは


今はほとんど行われていないという腟式帝王切開術とは、目的として妊娠中期の人工妊娠中絶法として行われていたみたいです。ですが、現在では、安全な薬物投与による人工妊娠中絶法があるためほとんど行われることがないみたいです。

 

現在一般的にいわれる帝王切開術とは腹式帝王切開術のこと


一般に、帝王切開術というと、「腹式帝王切開術」を現在は指します。腹式帝王切開術は、腹部に皮膚切開を加えて行う帝王切開術式で、麻酔は通常、脊椎麻酔や硬膜外麻酔ですが、いわゆる下半身麻酔が多くママの意識はあるので、産声を聞いたり赤ちゃんを見たりすることができます。
様々なリスクが含んでいる場合、全身麻酔のこともあります。全身麻酔の場合は意識がないので産声は聞けません。

おなかを切開する方向は横切開する方法と縦に切開する方法があり、横切開は創部が目立ちませんが、術中の視野が狭いなどの短所があります。横切開は傷口が目立たないので、どちらかを選択できる場合に希望する人が多いですが、緊急時には縦切開のほうが視野が広くなるので緊急時は縦に切開します。

帝王切開術が選択される要因としては、以下が考えられます。

  • 母体側の影響

狭骨盤や児頭骨盤不均衡、切迫子宮破裂している状況、前回帝王切開での出産、経腟分娩に母体が耐えられない可能性がある場合などです。

常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)

 赤ちゃんが生まれる前に胎盤が剥がれてしまうと、大量に出血し危険なので、剥がれてしまった時は緊急に帝王切開になります。

軟産道強靭(なんさんどうきょうじん)

 産道が硬いままで十分開かず、長時間赤ちゃんが出てこられず危険な時は帝王切開になります。

 遷延分娩(せんえんぶんべん)

 微弱陣痛のまま十数時間お産が進まず危険な場合、帝王切開になります。破水してから長時間立っていると細菌に感染する事があるので、その場合も帝王切開になります。

  • 胎児側の適応

胎児仮死状態に至っていて緊急の場合、胎盤の異常が見受けられる場合(前置胎盤、常位胎盤早期剥離など)、胎位、胎勢の異常(骨盤位、横位、回旋異常など)などがありますが、これらの症状が重複している場合もあります。

赤ちゃんが仮死状態

分娩中に赤ちゃんが胎盤機能低下や臍帯巻絡等で、低酸素状態になり危険な場合帝王切開になります。

前置胎盤

胎盤位置が子宮口を塞いだり、またかかっている場合など産道を通ることができない場合
また前置胎盤による大量出血の可能性があるため帝王切開になります。

回旋異常

産道を通るとき赤ちゃんの回転がうまくいかず、引っかかってしまい長時間出てこられない時帝王切開になります。

このほかにも様々な理由で帝王切開になる事があります。緊急に帝王切開になる場合は、経膣分娩が危険と判断された場合で、お産が進んでいて経膣分娩ができそうな時は陣痛促進剤などの薬を使ったり、吸引や鉗子を試みます。

予定帝王切開になるケース



逆子 お尻から出てくる単殿位等は、経膣分娩でも出産可能な事があるみたいですが、膝から出てくる前膝位などの場合は、赤ちゃんに酸素を送るへその緒が、一番大きい頭と一緒に産道を出てくると、へその緒が圧迫されて赤ちゃんに栄養が行かなくなる危険性があり、とても危険なので帝王切開になります。

帝王切開になるかはママや赤ちゃんの状態、産院の方針等で決まります。最近では安全のためお尻から出てくる場合でも帝王切開になる事が多いです。

児童骨盤不均等

赤ちゃんの頭がママの骨盤より大きいために、産道で引っかかる可能性があるとき。経膣分娩ができるかできないかは、お産が始まってみないとわからないこともあるので、その場合は経膣分娩で出産を試みて赤ちゃんが出てこれない時に緊急帝王切開になる事もあります。

前置胎盤

前置胎盤とは子宮口に胎盤がある事いいます。普通、胎盤は子宮の上側にあり、赤ちゃんが生まれてから胎盤が出てくるのですが、胎盤が産道を塞いでしまい赤ちゃんが出てこられないので、帝王切開になります。 妊娠高血圧症候群 胎盤や赤ちゃんの状態が悪い場合、予定日前に帝王切開になる事もあります。 多胎妊娠 経膣分娩が可能な場合もありますが、ママや赤ちゃんの状態によって帝王切開になるります。

前置胎盤についての詳しい内容は こちら


その他にも様々な理由はあります。前回の出産が帝王切開の場合、帝王切開になる事が多いです。経膣分娩が可能と言われることもありますが、リスクがたかいので帝王切開になる病院が多いです。

帝王切開術のリスク


帝王切開術におけるリスクとしては、以下のようなものがあります。
まず多量出血が挙げられます。特に、既往帝王切開妊婦前置胎盤子宮筋腫合併DICを合併する常位胎盤早期剥離などでは、多量出血のリスクが予測されます。
また、子宮筋層切開した裂傷において、大量出血が起こることもあり、こうした出血が起こり、止血が難しい場合には、子宮全摘出が必要になることもあります。

さらに、子宮切開には子宮下部横切開法と体部縦切開法がありますが、通常、帝王切開は膀胱を剥離して子宮壁を切開する子宮下部横切開が選択されますが、子宮下部横切開の場合、膀胱損傷を生じる可能性もあります。特に、妊婦に開腹手術の既往や強い癒着がある場合が問題となります。また、腸管損傷も起こる可能性があります。


また、帝王切開後の既往がある場合、次に分娩を行うときに子宮破裂の危険性が高まります。子宮破裂の頻度は、既往の切開様式が子宮下部横切開の場合には0.2~2%,古典的縦切開の場合は4~8%と言われています。



手術である以上、やはりリスクもあります。こうしたリスクを医療側もしっかりと説明し、納得いただくことが必要であると思われます。


帝王切開術術後のリスク



帝王切開をして一番なりやすいのが血栓症です。
血栓症とは、エコノミー症候群と同じで、長時間同じ姿勢で座っていたり、体を動かさないでいると、血流が悪くなり、ふくらはぎなどの下肢に血の塊ができやすくなる症状のことです。

この血の塊が血管に詰まってしまったり、また流れたとしても肺に到達すると肺塞栓症になったり、
呼吸困難を起こし、最悪死に至ることもあります。

血栓症のリスクを高めるものに、腹部手術と妊娠が挙げられています。人間の体は出血をすると血液が固まろうとしますが、特に妊娠時は出産という大出血に耐えられるように、血液が固まりやすくなっているみたいで、もともと血栓ができやすい状態になっているそうです。

さらに帝王切開で出産すると、腹部手術なので術後に動けないため、自然分娩時よりも血栓症のリスクが高まるといわれています。しかしあらかじめわかっていることなので、予防することができま、手術前に弾性ストッキングを履き、フットポンプを着け、血液が循環する手助けなどを行ったりします。

また、動くことでも血栓症を予防できるので、早期離床として、術後数時間後からベッド上で体位を変えたり、ベッドを起こしたりして少しでも動いた方がいいみたいです。

肺塞栓症(肺動脈塞栓症)

肺塞栓症の発生率は、帝王切開後の発症は経腟分娩後の発症より5~10倍高いと言われています。妊娠・分娩時では、生理的に凝固能が亢進しており、妊娠子宮による血流の停滞、そして分娩時には静脈壁の損傷などが起こる可能性があり、深部静脈血栓が起こりやすくなっています。こうした血栓が肺動脈を閉塞し、肺塞栓症が起こります。

癒着

ここでいう癒着とは、手術で縫合した所の組織同士がくっついて傷が自然に治る(自然治癒力)時に、くっついて欲しくない部分までくっついてしまうことを指しています。

癒着することによって臓器がうまく機能しなくなることがあるみたいで注意が必要ですが、何も症状が起きなければ問題はないので特別に処置をする必要はないみたいです。

癒着のリスクとしては、

・下腹部痛

・癒着性の腸閉塞

・不妊症の原因になる

ということが挙げられます。

また、癒着していると次の手術の時に操作しづらいために、まずその癒着部分をはがす操作が必要になります。2人目を帝王切開で出産することになった場合、赤ちゃんをとりだすのに癒着部分が邪魔ならまずその癒着部分をはがさなくてはなりません。そうすることで手術操作が増え、出血量が増えてしまったり、癒着していた他の臓器に傷がつくなどして、術後の合併症のリスクが上がる可能性があります。

最近では予防として、縫合部分に癒着防止フィルムというものを使う病院などもあります。

深刻な癒着は個人差がありますので、一度の帝王切開でなる人もいれば、何回か帝王切開していても癒着が起こらない人もいます。

感染症

感染症とは、子宮や腹壁の縫合部分に細菌が侵入して、だいたい術後一週間くらいして傷が開いてしまう縫合不全を起こしたり、子宮の中に細菌が増えて子宮内膜症を引き起こすことです。

また子宮内膜症とは、子宮内膜やそれに似た組織が本来あるべき子宮の内側以外に発生して増殖する病気で、生理痛がひどくなったり、不妊の可能性が出てきてしまうものです。

感染症の予防として、術後に抗生物質の点滴をするので、ほとんど発症はしないようですが、出産時に破水してから時間が経ってしまい、子宮内感染を起こす可能性が高くなってしまった場合、またはすでに子宮内感染を起こしている場合だと、術後に感染症になる確率が上がってしまうこともあるみたいです。

さらに妊娠中毒症や切迫早産で塩酸リトドリンを長期に使用していた場合、肺水腫や弛緩出血などによる術後の出血、ほかにも産褥感染症、癒合不全による出血、イレウス(腸閉塞)などが起こる可能性があります。

VBAC(帝王切開後の経膣出産)について


帝王切開の場合、次の出産方法も帝王切開になる事が多いですが、期間を開けると経膣分娩も可能と言われています。しかし、それには子宮破裂というリスクが伴います。子宮破裂の確率は数値で見ると低く感じるかもしれませんが、ゼロではないことを理解したほうがいいです。

子宮破裂、主に帝王切開で出産した人で、二人目以降の出産時でのリスクになります。

一人目出産時に、帝王切開で子宮を切っていると、どうしてもその縫合部分が薄く、弱くなっています。そのために、妊娠して子宮が大きくなると前回の縫合部分も伸びてさらに薄くなるため、その状態で陣痛が起こると子宮破裂が起きやすくなってしまいます。
もし出産途中で子宮破裂を起こしてしまったら...。
赤ちゃんの命を失ったり、重い後遺症が残ってしまう可能性が高いみたいです。
さらに子宮破裂は突発的に起こることなので、出血多量を引き起こし、出血死のリスクが高くなります。また、母体の救命のために子宮摘出ということにもなりかねません。

VBACは危険が伴うので、受け入れる産院は少なく帝王切開になる事が多いようです。VBACの受け入れをしている産院でも、VBACをするためには条件をいくつかクリアしなければいけないみたいですが、その条件は産院ごとに違うので直接問い合わせて聞くほうがいいと思います。

最近では帝王切開で出産した後、次の子を自然分娩で産む人も増えてきているそうですが、子宮破裂はいつ起こるかわからないので、少しでもリスクを回避するためにも、帝王切開での出産を考えたほうがいいと思います。

もしどうしても自然分娩でという方は、前回の帝王切開での出産時に子宮を横切りしていることが大前提で、救急の対処ができる病院で先生と相談のうえで納得してからにしてくださいね。帝王切開後に経膣分娩をしたいと望むママは、リスクを必ず知ることが大事だと思います。リスクを知った上で医師と十分に話し合い、じっくり考えて決めましょう。

2013年6月28日金曜日

前置胎盤・低置胎盤とは

前置胎盤とは

通常、胎盤は子宮の上部に位置し、子宮口から離れた場所に胎盤が形成されます。この胎盤の位置が子宮口をふさぐ場所にできていることを前置胎盤といい、妊娠期間においても、出産時においても様々なリスクがついて回ります。
前置胎盤は、自覚症状があるものではなく、いきなり大量に出血するケースもあり母体の生命に危険が及ぶ場合もあります。また早産になってしまう場合も多く、母児双方にとってきわめてハイリスクな妊娠ということができます。

前置胎盤でも子宮口をどの程度ふさいでいるかによってよび方が三つに分けられ、またさまざまなリスク度合いも変わってくるようです。
  • 全前置胎盤とは
胎盤が子宮口を完全にふさぎ、通常のお産は無理で、帝王切開での出産になります。
  • 一部前置胎盤とは
胎盤が子宮口の一部をふさいでいる状態の事を指します。子宮口を塞いでいる範囲にもよりますが、母体・胎児の安全面などを考えると基本的には帝王切開での出産になるケースがほとんどになるみたいです。
  • 辺縁前置胎盤とは
胎盤の下縁が子宮口に少しかかっている状態のもの。 一部前置胎盤よりかは軽度の状態ではあるが、子宮口の近くということもあり、リスクは変わらず。 安全に出産するために、帝王切開での出産と判断されることがほとんどです。

低置胎盤とは



胎盤が子宮口にかかってはいないけれど、通常より低い(子宮口に近い)位置にあるものを低置胎盤といいます。前置胎盤よりかはましな症状といえますが、胎盤位置によっては同じようにリスクが伴う場合もあり、帝王切開によるお産になる可能性もあります。

 

前置胎盤・低置胎盤の診断時期


妊娠20週前後で初めて聞かされるかもしれませんが、この時期での診断はまだ不確定の要素が強いみたいです。ただし、前置胎盤・低置胎盤の診断は妊娠後期にならないと正確には分からないみたいです。といいますのも、早い段階で胎盤が下の方に位置していても子宮が大きくなるにつれて胎盤が上がっていく可能性が高いからです。

 

前置胎盤と診断されたとしても


妊娠30週以前に前置胎盤と診断された場合でも、実際に出産する時まで前置胎盤のままであるのは、5%に過ぎないみたいで、30週以前に診断されたとしても95%の人は治る可能性が高いということです。妊娠30週までに子宮下部がほぼ形成されるため妊娠30週以降に前置胎盤である場合は分娩時も前置胎盤である可能性が高く、注意が必要です。

前置胎盤の発生確率


 前置胎盤の頻度は1990年からのデータを見る限り、全体の1%以下です。妊娠時の年齢なども影響するみたいですが、統計上のデータではその他で帝王切開の経験者・人口流産の経験者が前置胎盤になる可能性は比較的高い数値を表しているみたいです。

 

前置胎盤になる原因


前置胎盤になる原因、つまりなぜ受精卵が子宮の下部に着床してしまうのか、ということについては明らかになっていません。

前置胎盤・低置胎盤のリスク


輸血が必要になるほどの大量出血の可能性


前置胎盤の危険性は、出産前は子宮収縮などにより、胎盤がはがれることで出血を起こすという点ですが、出産時にも他の出産に比べ危険な面があります。
前置胎盤による出血は、自覚するほどの子宮収縮(お腹の張り)がないうちに起こることが多く、痛みを感じることも少ないみたいで、妊娠中期までは無症状に経過し妊娠中期の後半以降になってはじめて出血することが多いです。
最初の出血自体はごく少量がでて収まりということを繰り返し、突然大量の出血を伴うことが多いみたいです。また分娩が近づいて、子宮が収縮したり(お腹が張る・陣痛)、子宮口が開いてくると、大量に出血してしまうことになり、一旦大量に出血すると止血しにくく、帝王切開によって分娩せざるをえなくなってしまいます。
子宮は出産し、胎盤がはがれるのを合図に収縮しますが収縮するというのは、単純に大きさが変わるだけではなく、組織が縮むことで胎盤が剥がれた後の傷がふさがるわけです。
より収縮度が高い奥の部分(子宮口付近ではなく)の方が出血は少なく済みますが、子宮口の近くはそれほど収縮しないために、なかなか出血が治まらない為大量出血する可能性があります。
また、同じ前置胎盤でも、胎盤の付き方で危険度がより増す場合があるみたいです。

癒着胎盤の併発の可能性


また、前置胎盤では癒着胎盤の危険性も高いみたいで、これは子宮下部は胎盤が発育するのに十分な環境が整っていないためで、前置胎盤と診断された方の癒着胎盤の可能性は5%~10%という報告もあります。(報告事例では高い目の数字かもしれません。1%以下というデータもあります。)

出血に伴う早産のリスク

 
管理入院が始まる週数にもよりますが、統計上入院してから2週間以内での帝王切開による出産が可能性が高く前置胎盤のみ破水や、出血がない場合では30週前後からの管理入院が必要になる可能性が高いみたいです。
下は前置胎盤と診断された方の週数による出産率です。
32週~33週での出産:10%
34週~35週での出産:15%
36週目での出産:10%
ほかの週数では10%以下での出産になっていますが、管理入院となってから2週間以内という統計の中で、24週目のみ違うデータとなっていました。
その内容は24週目などでの出血などの場合、約40%がその時点での出産を余儀なくされています
また、早産により未熟児として生まれてきた子供達は、NICU(新生児集中治療室)での治療が行われていく事になります。
 

前置胎盤・低置胎盤と診断されたら


妊娠中期に前置胎盤と診断されても妊娠後期までに胎盤の位置が変わり、正常と呼べる場所まで胎盤の位置が変わることも多く、前置胎盤による大量出血も妊娠30週以前では少ないということもあり、妊娠30週までは自宅安静で外来診察により定期的に超音波検査をするというのが一般的みたいですが、前置胎盤と診断されたら安静にし、出血を起こさないようにできる限り予定日の近くまで赤ちゃんをお腹に入れておけるようにすることが大切になります。

妊娠30週を過ぎても胎盤の位置が改善されず、前置胎盤である場合は母児の経過をみながら入院安静の必要性を判断することになります。 前置胎盤の場合はほとんどが帝王切開になります。

低置胎盤の場合は、その胎盤の位置によって経膣分娩が可能なケースもあるみたいで分娩時の状態に応じて判断することになります。
しかし既に出血してしまっている場合については、出血がそれほど大量でない場合は、投薬を試みながら胎児の成長を待ち、胎児のリスクを少しでも軽減できるような処置が行われていきます。
出血がないか、あっても少量のケースでは、安静にして妊娠37週(正期産)まで待機しその後はなるべく早く帝王切開術にて分娩するようにします。
基本的には出血の程度と胎児の状態ををみて対応しますが、母体の生死にかかわるような大出血がある場合には胎児の成長度合いにかかわらず帝王切開で分娩しなくてはなりません。