2013年6月30日日曜日

帝王切開とは

帝王切開とは


帝王切開術とは、子宮壁を切開して胎児を娩出させる方法です。
私も調べるまで帝王切開は帝王切開という認識がなく術種があるということを知りませんでしたが帝王切開術には腹式帝王切開術と腟式帝王切開術というのがあるみたいです。現在行われている帝王切開術はほとんど腹式帝王切開術です。

妊娠中や分娩中にトラブルがあり、経膣分娩ができない時に帝王切開になります。最近ではリスクが高い妊婦さんが増え、お産の15~20%程度が帝王切開です。医療の進歩により帝王切開によりママが死亡するケースはほとんどありません。

過去には行われていた膣式帝王切開術とは


今はほとんど行われていないという腟式帝王切開術とは、目的として妊娠中期の人工妊娠中絶法として行われていたみたいです。ですが、現在では、安全な薬物投与による人工妊娠中絶法があるためほとんど行われることがないみたいです。

 

現在一般的にいわれる帝王切開術とは腹式帝王切開術のこと


一般に、帝王切開術というと、「腹式帝王切開術」を現在は指します。腹式帝王切開術は、腹部に皮膚切開を加えて行う帝王切開術式で、麻酔は通常、脊椎麻酔や硬膜外麻酔ですが、いわゆる下半身麻酔が多くママの意識はあるので、産声を聞いたり赤ちゃんを見たりすることができます。
様々なリスクが含んでいる場合、全身麻酔のこともあります。全身麻酔の場合は意識がないので産声は聞けません。

おなかを切開する方向は横切開する方法と縦に切開する方法があり、横切開は創部が目立ちませんが、術中の視野が狭いなどの短所があります。横切開は傷口が目立たないので、どちらかを選択できる場合に希望する人が多いですが、緊急時には縦切開のほうが視野が広くなるので緊急時は縦に切開します。

帝王切開術が選択される要因としては、以下が考えられます。

  • 母体側の影響

狭骨盤や児頭骨盤不均衡、切迫子宮破裂している状況、前回帝王切開での出産、経腟分娩に母体が耐えられない可能性がある場合などです。

常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)

 赤ちゃんが生まれる前に胎盤が剥がれてしまうと、大量に出血し危険なので、剥がれてしまった時は緊急に帝王切開になります。

軟産道強靭(なんさんどうきょうじん)

 産道が硬いままで十分開かず、長時間赤ちゃんが出てこられず危険な時は帝王切開になります。

 遷延分娩(せんえんぶんべん)

 微弱陣痛のまま十数時間お産が進まず危険な場合、帝王切開になります。破水してから長時間立っていると細菌に感染する事があるので、その場合も帝王切開になります。

  • 胎児側の適応

胎児仮死状態に至っていて緊急の場合、胎盤の異常が見受けられる場合(前置胎盤、常位胎盤早期剥離など)、胎位、胎勢の異常(骨盤位、横位、回旋異常など)などがありますが、これらの症状が重複している場合もあります。

赤ちゃんが仮死状態

分娩中に赤ちゃんが胎盤機能低下や臍帯巻絡等で、低酸素状態になり危険な場合帝王切開になります。

前置胎盤

胎盤位置が子宮口を塞いだり、またかかっている場合など産道を通ることができない場合
また前置胎盤による大量出血の可能性があるため帝王切開になります。

回旋異常

産道を通るとき赤ちゃんの回転がうまくいかず、引っかかってしまい長時間出てこられない時帝王切開になります。

このほかにも様々な理由で帝王切開になる事があります。緊急に帝王切開になる場合は、経膣分娩が危険と判断された場合で、お産が進んでいて経膣分娩ができそうな時は陣痛促進剤などの薬を使ったり、吸引や鉗子を試みます。

予定帝王切開になるケース



逆子 お尻から出てくる単殿位等は、経膣分娩でも出産可能な事があるみたいですが、膝から出てくる前膝位などの場合は、赤ちゃんに酸素を送るへその緒が、一番大きい頭と一緒に産道を出てくると、へその緒が圧迫されて赤ちゃんに栄養が行かなくなる危険性があり、とても危険なので帝王切開になります。

帝王切開になるかはママや赤ちゃんの状態、産院の方針等で決まります。最近では安全のためお尻から出てくる場合でも帝王切開になる事が多いです。

児童骨盤不均等

赤ちゃんの頭がママの骨盤より大きいために、産道で引っかかる可能性があるとき。経膣分娩ができるかできないかは、お産が始まってみないとわからないこともあるので、その場合は経膣分娩で出産を試みて赤ちゃんが出てこれない時に緊急帝王切開になる事もあります。

前置胎盤

前置胎盤とは子宮口に胎盤がある事いいます。普通、胎盤は子宮の上側にあり、赤ちゃんが生まれてから胎盤が出てくるのですが、胎盤が産道を塞いでしまい赤ちゃんが出てこられないので、帝王切開になります。 妊娠高血圧症候群 胎盤や赤ちゃんの状態が悪い場合、予定日前に帝王切開になる事もあります。 多胎妊娠 経膣分娩が可能な場合もありますが、ママや赤ちゃんの状態によって帝王切開になるります。

前置胎盤についての詳しい内容は こちら


その他にも様々な理由はあります。前回の出産が帝王切開の場合、帝王切開になる事が多いです。経膣分娩が可能と言われることもありますが、リスクがたかいので帝王切開になる病院が多いです。

帝王切開術のリスク


帝王切開術におけるリスクとしては、以下のようなものがあります。
まず多量出血が挙げられます。特に、既往帝王切開妊婦前置胎盤子宮筋腫合併DICを合併する常位胎盤早期剥離などでは、多量出血のリスクが予測されます。
また、子宮筋層切開した裂傷において、大量出血が起こることもあり、こうした出血が起こり、止血が難しい場合には、子宮全摘出が必要になることもあります。

さらに、子宮切開には子宮下部横切開法と体部縦切開法がありますが、通常、帝王切開は膀胱を剥離して子宮壁を切開する子宮下部横切開が選択されますが、子宮下部横切開の場合、膀胱損傷を生じる可能性もあります。特に、妊婦に開腹手術の既往や強い癒着がある場合が問題となります。また、腸管損傷も起こる可能性があります。


また、帝王切開後の既往がある場合、次に分娩を行うときに子宮破裂の危険性が高まります。子宮破裂の頻度は、既往の切開様式が子宮下部横切開の場合には0.2~2%,古典的縦切開の場合は4~8%と言われています。



手術である以上、やはりリスクもあります。こうしたリスクを医療側もしっかりと説明し、納得いただくことが必要であると思われます。


帝王切開術術後のリスク



帝王切開をして一番なりやすいのが血栓症です。
血栓症とは、エコノミー症候群と同じで、長時間同じ姿勢で座っていたり、体を動かさないでいると、血流が悪くなり、ふくらはぎなどの下肢に血の塊ができやすくなる症状のことです。

この血の塊が血管に詰まってしまったり、また流れたとしても肺に到達すると肺塞栓症になったり、
呼吸困難を起こし、最悪死に至ることもあります。

血栓症のリスクを高めるものに、腹部手術と妊娠が挙げられています。人間の体は出血をすると血液が固まろうとしますが、特に妊娠時は出産という大出血に耐えられるように、血液が固まりやすくなっているみたいで、もともと血栓ができやすい状態になっているそうです。

さらに帝王切開で出産すると、腹部手術なので術後に動けないため、自然分娩時よりも血栓症のリスクが高まるといわれています。しかしあらかじめわかっていることなので、予防することができま、手術前に弾性ストッキングを履き、フットポンプを着け、血液が循環する手助けなどを行ったりします。

また、動くことでも血栓症を予防できるので、早期離床として、術後数時間後からベッド上で体位を変えたり、ベッドを起こしたりして少しでも動いた方がいいみたいです。

肺塞栓症(肺動脈塞栓症)

肺塞栓症の発生率は、帝王切開後の発症は経腟分娩後の発症より5~10倍高いと言われています。妊娠・分娩時では、生理的に凝固能が亢進しており、妊娠子宮による血流の停滞、そして分娩時には静脈壁の損傷などが起こる可能性があり、深部静脈血栓が起こりやすくなっています。こうした血栓が肺動脈を閉塞し、肺塞栓症が起こります。

癒着

ここでいう癒着とは、手術で縫合した所の組織同士がくっついて傷が自然に治る(自然治癒力)時に、くっついて欲しくない部分までくっついてしまうことを指しています。

癒着することによって臓器がうまく機能しなくなることがあるみたいで注意が必要ですが、何も症状が起きなければ問題はないので特別に処置をする必要はないみたいです。

癒着のリスクとしては、

・下腹部痛

・癒着性の腸閉塞

・不妊症の原因になる

ということが挙げられます。

また、癒着していると次の手術の時に操作しづらいために、まずその癒着部分をはがす操作が必要になります。2人目を帝王切開で出産することになった場合、赤ちゃんをとりだすのに癒着部分が邪魔ならまずその癒着部分をはがさなくてはなりません。そうすることで手術操作が増え、出血量が増えてしまったり、癒着していた他の臓器に傷がつくなどして、術後の合併症のリスクが上がる可能性があります。

最近では予防として、縫合部分に癒着防止フィルムというものを使う病院などもあります。

深刻な癒着は個人差がありますので、一度の帝王切開でなる人もいれば、何回か帝王切開していても癒着が起こらない人もいます。

感染症

感染症とは、子宮や腹壁の縫合部分に細菌が侵入して、だいたい術後一週間くらいして傷が開いてしまう縫合不全を起こしたり、子宮の中に細菌が増えて子宮内膜症を引き起こすことです。

また子宮内膜症とは、子宮内膜やそれに似た組織が本来あるべき子宮の内側以外に発生して増殖する病気で、生理痛がひどくなったり、不妊の可能性が出てきてしまうものです。

感染症の予防として、術後に抗生物質の点滴をするので、ほとんど発症はしないようですが、出産時に破水してから時間が経ってしまい、子宮内感染を起こす可能性が高くなってしまった場合、またはすでに子宮内感染を起こしている場合だと、術後に感染症になる確率が上がってしまうこともあるみたいです。

さらに妊娠中毒症や切迫早産で塩酸リトドリンを長期に使用していた場合、肺水腫や弛緩出血などによる術後の出血、ほかにも産褥感染症、癒合不全による出血、イレウス(腸閉塞)などが起こる可能性があります。

VBAC(帝王切開後の経膣出産)について


帝王切開の場合、次の出産方法も帝王切開になる事が多いですが、期間を開けると経膣分娩も可能と言われています。しかし、それには子宮破裂というリスクが伴います。子宮破裂の確率は数値で見ると低く感じるかもしれませんが、ゼロではないことを理解したほうがいいです。

子宮破裂、主に帝王切開で出産した人で、二人目以降の出産時でのリスクになります。

一人目出産時に、帝王切開で子宮を切っていると、どうしてもその縫合部分が薄く、弱くなっています。そのために、妊娠して子宮が大きくなると前回の縫合部分も伸びてさらに薄くなるため、その状態で陣痛が起こると子宮破裂が起きやすくなってしまいます。
もし出産途中で子宮破裂を起こしてしまったら...。
赤ちゃんの命を失ったり、重い後遺症が残ってしまう可能性が高いみたいです。
さらに子宮破裂は突発的に起こることなので、出血多量を引き起こし、出血死のリスクが高くなります。また、母体の救命のために子宮摘出ということにもなりかねません。

VBACは危険が伴うので、受け入れる産院は少なく帝王切開になる事が多いようです。VBACの受け入れをしている産院でも、VBACをするためには条件をいくつかクリアしなければいけないみたいですが、その条件は産院ごとに違うので直接問い合わせて聞くほうがいいと思います。

最近では帝王切開で出産した後、次の子を自然分娩で産む人も増えてきているそうですが、子宮破裂はいつ起こるかわからないので、少しでもリスクを回避するためにも、帝王切開での出産を考えたほうがいいと思います。

もしどうしても自然分娩でという方は、前回の帝王切開での出産時に子宮を横切りしていることが大前提で、救急の対処ができる病院で先生と相談のうえで納得してからにしてくださいね。帝王切開後に経膣分娩をしたいと望むママは、リスクを必ず知ることが大事だと思います。リスクを知った上で医師と十分に話し合い、じっくり考えて決めましょう。

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