2013年7月8日月曜日

小さな命 未熟児で生まれてくる子供たち 未熟児とは 早産・低出生体重児

未熟児と低体重児・早産児の違い


「未熟児」とは医学上の言葉で「 低出生体重児」、そして「早産児」 という形で分けられます。

その子供たちについて調べてみました。

 未熟児とは



「 未熟児」 とは「 身体の機能が未熟な(成熟していない)状態で生まれた赤ちゃん」のことで、一般的に小さく生まれた(2,500g以下)赤ちゃんのことを「未熟児」と呼んでいます。
ですが、小さく生まれた赤ちゃんでも身体の機能に問題がなかったり、反対に2,500gを超える赤ちゃんでも身体の機能が未熟であったりすることがあるため、出生体重だけではなく、ママのお腹のなかにいた期間(在胎週数)や妊娠期間に対する発育状況(体重)によって分類されています。

産婦人科や新生児科、小児科のお医者さんはこれらの分類を目安にして生まれてきた赤ちゃんへの対策を考えています。 

出生体重による分類



生まれたときの体重による分類では、2500g未満を「低出生体重児」と呼び、さらにそのなかで1500g未満を「極低出生体重児」1000g未満を「超低出生体重児」と呼ばれています。

日本では出生数が減少しているものの、低出生体重児の数は毎年増加しています。全体の出生数に占める低出生体重児の割合は、20年前は出生の7%前後でしたが、現在は9.7%(2011年)にまで増加しています。これは世界平均の6.8%(経済協力開発機構30カ国)と比べても非常に高い数字となっていますが、これは、不妊治療による双子や3つ子の赤ちゃんが増えたことや、新生児医療の進歩により、超低出生体重児の赤ちゃんも救出できるようになったことが大きな要因として考えられます。

また通常妊娠で出産の場合、単産と呼ばれ、双子として生まれてくる場合などは複産と呼ばれており、その中で上記に記した内訳は単産の場合において2500g未満で生まれてくる子供たちは9.1%となっています。複産の場合、全体で見た場合には残り0.6%になりますが複産で生まれてくる子供たちだけでの割合を見ると、実に83%近くの子供たちが2500g未満で生まれてきています。

これは双子の出産ということで、比較的早い週数で出産しなければいけない状況が必然的に起こる事がわかります。

出生時の体重による分類

  • 低出生体重児:2,500g未満で産まれる赤ちゃん  全体の9%
  • 極低出生体重児:1,500g未満で産まれる赤ちゃん 全体の1%
  • 超低出生体重児:1,000g未満で産まれる赤ちゃん 全体の0.5%

低出生体重児の多くは早産(妊娠22週から37週未満)で生まれた赤ちゃんですが、なかには妊娠期間は十分であるにもかかわらず体重の小さい赤ちゃんもいます。

妊娠期間に比べて体重が小さい赤ちゃんは、赤ちゃん自身になんらかの問題を抱えている場合や、ママからの酸素や栄養分を運ぶ胎盤や臍帯の働きが不十分で栄養の蓄えが少ないために小さく生まれるなどの場合があります。
 

在胎週数による分類


もう一つの分類方法として、在胎週数による分類があります。赤ちゃんは、通常、在胎37~42週未満でママのお腹から出てきます。

これよりもお腹の中にいる期間が短いと「早産児」(在胎37週未満)、長いと「過期産児」(在胎42週以上)といいます。

赤ちゃんの体や機能は、ママのお腹の中に40週前後いることで外の世界に出てくる準備が整います。そのため、在胎37週未満で産まれてきた赤ちゃんは、通常体が小さく、体の機能が未熟な場合がありこの在胎期間が短いと、さまざまな後遺症などがでる可能性が高くなるといわれています。

日本では「低体重出生児」 と同様、年々増加の傾向にあり、全出生数のうちに占める早産の割合は約5.7%(2009年)と報告されています。

在胎週数による分類


  • 早産児在胎37週未満で産まれる赤ちゃん  全体の4%未満
  • 正期産児在胎37~42週未満で産まれる赤ちゃん 全体の93%以上
  • 過期産児在胎42週以上で産まれる赤ちゃん  全体の3%未満

早産児のリスク早産で生まれた赤ちゃんのなかでも35週以降に生まれた赤ちゃんは、比較的、機能も体重も正期産児に近く、特別な医療的処置をする必要がない場合もあります。
ほとんどの場合、発達上の心配もないことが多く入院自体も管理的な入院で比較的短く終わります。

一方、在胎30週未満で生まれた赤ちゃんは、体重も約1500g未満で体の機能も未熟な点が多いため、十分に発達するまでNICU(新生児集中治療施設)などで養育・治療します。

在胎28週未満の超早産児(出生体重が約1000g未満)でも、新生児医療の進歩により、死亡や重度の障害が残る確率は格段に減少しています。

基本的に早産児におこる特有のリスクなどもありますが、軽度の発達の遅れや運動障害が残る割合も正期産児よりは多くなるものの、大半が正常に発達していきます。 2500gが低出生体重児の目安とされていますが、退院についてはこの体重がひとつの目安となり、機能的に問題がクリアされていいけば2500gを目標として退院することになります。
また期間については出生予定日がひとつの目安となり、早産で生まれてきた子供たちが退院できるまでの期間は、出生予定日が目安となり、2500gに到達するのも出生予定日近くになることが多くなります。

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